大阪建設工業新聞2017年3月31日号にインタビュー記事を掲載していただきました。

防災の大前提にインフラ整備が必須
関西の展望 藤井比早之国土交通政務官に聞く

何かと比較される関西と首都圏だが、現状では2020年東京五輪開催などで劣位に立たされていることは否めない。そこで「防災の大前提にインフラ整備あり」との観点から、藤井ひさゆき国土交通政務官(兵庫4区選出)に、関西の主要な事業等の展望を語って頂いた。

―関西が発展するために解決しなければならない課題は。

東京は、首都圏は、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、刻一刻と発展しています、進化しています。 首都圏とならび、日本経済を牽引すべき、日本を代表する一大都市圏として、今こそ、関西経済が新たな発展に踏み出さねばなりません。 今年、平成29年は、関西経済が新たな発展に向けて動き出す記念すべき年になることでしょう。 まずは高速ネットワーク、基幹道路ネットワークの早期整備と関西のミッシングリンク解消です。
大阪湾岸道路西伸部(六甲アイランド~駒栄)(事業費約5,000億円)は、平成28年度、新規事業化が決定いたしました。 淀川左岸延伸部(事業費約4,000億円)が平成28年11月25日に都市計画決定され、平成29年度、新規事業化が決定いたしました。
新名神高速道路は、城陽JCT・IC~八幡京田辺JCT・ICが平成29年4月30日に開通します。平成29年秋頃には高槻第一JCT~川西IC(仮称)が開通する予定であり、平成29年度末までに川西IC(仮称)から神戸JCTまでが開通する予定となっています。
平成29年3月18日には、京奈和自動車道(岩出根来IC~和歌山JCT)が開通し、平成29年3月25日には、北近畿豊岡自動車道八鹿日高道路(日高神鍋高原IC~八鹿氷ノ山IC)が開通いたしました。
名神高速道路と阪神高速湾岸線をつなぐ名神湾岸連絡線、神戸と播磨をつなぐ播磨臨海地域道路は、計画段階評価の早期完了を目指しています。
神戸西バイパス、東播磨道(北工区)、国道175号バイパス整備促進とミッシングリンク解消を進めてまいります。
関西の新たな高速ネットワークの形成に向けて全力を尽くしてまいります。
リニア中央新幹線の大阪までの全線開業を最大8年間前倒しするために、平成28年10月11日、鉄道・運輸機構への財政投融資1兆5,000億円を盛り込んだ平成28年度第2次補正予算が成立し、平成28年11月11日、鉄道・運輸機構法改正法案(鉄道・運輸機構がリニア中央新幹線の建設に必要な資金の一部を建設主体(JR東海)に貸し付けることができるようにする)が成立し、11月18日に公布されました。
東京・大阪間は67分。
リニア中央新幹線の大阪までの早期の全線開業を促進してまいります。
北陸新幹線は、平成28年12月20日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)が、敦賀~京都間のルートを、「小浜・京都ルート」とすることを決定し、平成29年3月15日、与党PTは、京都~新大阪間のルートを「南回りルート」(京田辺市を経由し、同市内に新駅を設ける)とすることを決定いたしました。
北陸新幹線の大阪までの全線開業に向けて、早期事業化を促進してまいります。
関西国際空港の旅客数は平成23年度の1,386万人から、平成27年度は過去最高の2,406万人へと増加いたしました。特に国際線の旅客数は、平成23年度の1,011万人から、平成27年度は過去最高の1,728万人に増加しています。このため、国際線旅客数増加に対応するため、平成29年1月28日には、第2ターミナルビル(国際線)が竣工し、供用開始されています。
平成27年度の旅客数は、関西国際空港に併せて、大阪国際空港(伊丹)は1,463万人、神戸空港は253万人と、関西3空港で4,122万人に増加し、過去最高となりました。
関西国際空港と大阪国際空港(伊丹)については、我が国の国際競争力の強化、関西の経済活性化のために、平成24年7月1日に経営統合が行われ、新関西国際空港株式会社が設立され、コンセッションにより、平成28年4月1日から、運営は、関西エアポート株式会社が行っています。
神戸空港もコンセッション導入を目指しており、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹)、神戸空港の3空港が一体運用されることによって、関西全体の航空輸送需要の拡大を実現することが期待されます。
平成22年8月6日、大阪港と神戸港が、国土交通省が推進する国際コンテナ戦略港湾として選定されました。
平成26年10月1日、阪神国際港湾株式会社が設立され、平成26年12月26日、阪神国際港湾株式会社に国が出資を行いました。
国際コンテナ戦略港湾「阪神港(神戸港・大阪港)」の機能強化により、
「集貨」国際フィーダー利用促進事業等により、阪神港への寄港便数は、平成26年の68便/週から、平成29年は99便/週へと、約45%(31便/週)増加しています。
「創貨」自動倉庫を導入することで、約8万アイテムに及ぶ部品の保管効率の向上、ピッキング作業の迅速かつ効率化、精度の高い在庫管理が可能となる大型倉庫を新設しています。(平成28年4月操業開始)
「競争力強化」コンテナ船の大型化に対応するため、水深16mのコンテナターミナルを順次整備しています。
「神戸港」の平成27年のコンテナ取扱貨物量は約275万TEUを記録し、阪神・淡路大震災以降、最高値を達成しています。(平成28年は約278万TEU(12月分は推計))
平成29年、神戸開港150年を迎えます。
阪神港の発展による関西経済の活性化に、全力を尽くしてまいります。
大阪駅周辺再開発としては、「グランフロント大阪(先行開発区域約7ha)」に引き続き、隣接する「うめきた2期開発区域(約17ha)」の開発が行われます。
「うめきた2期開発区域」における「新駅」の新設など、「うめきた」の都市再生が行われます。
平成28年11月24日、神戸三宮駅周辺・臨海地域が、「特定都市再生緊急整備地域」として、政令で新たに指定されました。
神戸阪急ビル東館は平成28年から解体工事中であり、平成33年に竣工予定です。
三宮ターミナルビルも建替えを検討中です。
三宮町1・2丁目地区、さんプラザ、センタープラザ、センタープラザ西館は、都市再開発支援事業として市街地再開発事業の実施を検討されています。
雲井通5・6丁目地区は、都市再開発支援事業として中長距離バスターミナル整備、市街地再開発事業の実施を検討されています。
神戸市役所2号館、3号館は建替えが検討されています。 再開発に際して、地権者の皆様、地元の皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。

―大阪万博招致、インバウンド対策についての考えは。

平成29年3月27日、日本万博博覧会誘致委員会設立総会が開催されました。
会長には、榊原経団連会長が就任され、全国の企業・団体への協力要請や、海外でのPR、視察団の受入れ等を通じたプロモーションを行います。
海外プロモーションとしては、BIE加盟国に対する大阪・関西の魅力・ポテンシャルのアピール、国の外交ルートや民間の経済活動と連携したプロモーション団の派遣、誘致実現の鍵を握る国・地域をターゲットに大阪・関西の魅力を実感する機会を創出します。
日本万博大阪開催に向けた国民全体の期待感の醸成のために、多くの企業、個人が参加できるプロモーションの企画、SNS等の情報発信力を活用した多くの国民が参加できる仕掛けづくり、次世代を担う若者が共感できる「新しい万博」の開催スタイルの演出等を行います。
日本万博大阪開催誘致に当たっては、政府として、閣議了解を行う方向です。
大阪・関西だけでなく、オールジャパンとして、国内全体の万博誘致への機運醸成が必要です。
日本万博大阪開催への皆様のご理解ご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。
訪日外国人旅行者数は、民主党政権下の平成23年では、622万人であったのに対し、昨年、平成28年には、2,404万人へと激増し、過去最高を記録しました。
訪日外国人旅行消費額は、平成28年に3兆7,476億円と、過去最高を記録しました。
平成29年3月22日、平成29年の地価(1月1日時点)が公示されました。
全国の商業地の上昇率1位は、大阪市中央区の道頓堀であり、その上昇率は昨年比+41.3%にも上ります。訪日外国人観光客の増加を受けて、店舗・ホテルの新規出店需要が極めて旺盛で、取得競争が激化し、地価上昇が顕著となりました。
また、京都市東山区も、訪日外国人観光客目当てに京都府内外からの出店需要が極めて旺盛で、特に祇園地区を中心に観光地周辺の店舗への引き合いは強く、地価上昇が顕著となり、昨年比+29.2%もの上昇となりました。
東アジア、東南アジアの経済成長も相まって、インバウンドの振興は、関西経済の発展に不可欠です。
関西国際空港をはじめ、関西3空港での受け入れ体制、訪日外国人旅行者の周遊ルートの基盤整備を行ってまいります。
大型クルーズ船の乗客数は5,000人超にも上ります。
インバウンドの受入強化、訪日外国人旅行者数増加対策としては、クルーズ船受け入れの増加も必要です。
参考までに、博多港のクルーズ船の寄港回数は平成25年の38回から、平成28年は328回へと激増しています。
神戸港、舞鶴港のクルーズ船受け入れ体制の整備、寄港回数の増加に全力を尽くしてまいります。
関西こそは、有名寺社や史跡、名勝のほか国宝、重要文化財等、日本を代表する著名な観光資源、歴史・伝統・文化の宝庫です。
兵庫県篠山市「集落丸山」(5戸のみの限界集落からスタート)など「歴史的資源を活用した観光まちづくり」も始まっています。
インバウンド振興と、関西経済の発展のために全力を尽くしてまいります。