美嚢川は吞吐ダム、東条川は大川瀬ダム、鴨川ダム、加古川は川代ダム
農林水産省加古川水系広域農業水利施設総合管理所のダムの放流状況によって加古川水系の水位は影響を受けます。
平成30年7月豪雨に際しては、吞吐ダム、大川瀬ダムにおいて、河川流入量増予想による水位安定処理(放流量増)が7月3日昼ごろから行われ、水位低下による調整空き容量を確保していきました。
吞吐ダムでは7月5日7時15分、大川瀬ダムでは7月5日11時30分に河川法48条通知(ダム放流通知)が関係機関に通知され、吞吐ダムでは7月5日8時30分、大川瀬ダムでは7月5日14時に洪水吐放流が開始されました。
吞吐ダムのピーク流入量は7月6日16時、大川瀬ダムのピーク流入量は7月7日11時とかなりの時差ができました。
吞吐ダムでは7月6日16時のピーク流入量の時点で、流入量が326m3/sに対し、放流量277m3/sと、流入量に対して放流量を抑えるピークカットが行われました。
これは河川流入量増予想により、かなり早い段階(ピークの3、4日前)から放流量を増加する水位安定処理が行われ、また、早い段階(ピークの1、2日前)から洪水吐放流が開始されたことによるものと判断されます。
吞吐ダムからの放流と美嚢川の水位とは議論が行われ、課題とされてきたところです。
今回、平成27年7月1日から稼働された放流設備も洪水吐放流前の放流量増加に使用されました。
7月6日、7日と美嚢川の水位がピークに達したときに更に放流量が増加していた場合、被害が甚大なものとなった可能性があります。
美嚢川、東条川など加古川水系の洪水被害を最小限抑えるために尽力していただいた加古川水系総合管理所の皆様をはじめ関係者の皆様すべてに心より敬意と感謝を申し上げます。
しかしながら、今回は長期間にわたって降雨が続いたことから、後にきたピークを凌ぐことができましたが、もし短期間でこれだけの量の降雨があった場合には対応できないこと、川代ダムのようなゲート式ダムではそもそも放流量をセーブすることは困難であること、利水のためのダムであり水位低下には限度があること、など多くの課題が存在します。
現場で確認させていただいた加古川(板波周辺)の水位は7月7日朝にピークが来て水位が下がったと安心したらまた水位が上昇し、7月7日昼に水位がピークに達したというのが率直な感想です。
川代ダムの流入量と放流量のピークは7月7日8時54分となっており、一旦朝に下がった水位がお昼にかけて上昇し、ピークに達した原因のひとつと考えられます。
こうした放流量と水位の上昇は様々な要因が重なっており、単純に予測は困難とのことですが、放流量は避難のための貴重な情報であり、「どの程度水位が上昇するのか」「水位の上昇はいつになるのか」等情報提供のあり方、「流入量に対して放流量を少なくするためにどのような方法があるのか」等、今後の課題を意見交換させていただきました。
いずれにせよ、このたびの平成30年7月豪雨と農林水産省加古川水系総合管理所の皆様のご尽力には心より敬意と感謝を申し上げます。
これからも農業用水等利水に必要な用水確保とともに地域の安全安心のためによろしくお願い申し上げます。